瑞慶覧かおりOfficialWebsite > News  exhibition20210603
瑞慶覧 かおり ― 縁起うさぎのフレスコ画展 ―

2021年 6月3日(木) ~ 6月9日(水) 
10:00~19:00 ※日曜日18:30迄。最終日16:00迄

一畑百貨店 松江店 5F美術サロン
〒690-8555 島根県松江市朝日町661
美術サロン直通電話:(0852)55-2523


出雲神話の縁起うさぎをテーマにした、展覧会企画の第二弾。
フレスコ画家、瑞慶覧かおりの個展を開催いたします。
福とご縁を導く縁起うさぎと、島根に咲く季節の草花等組み合わせた、
「十二羽の縁起うさぎ物語」シリーズ中心に、約30点のフレスコ画を展示いたします。


DM表

DM裏
 
会場風景

 ごあいさつ
 鮮やかで美しい顔料発色と、色材保存の仕組みに惹かれ、「フレスコ画」を描いています。フレスコ画は漆喰下地が乾くまでの過程で起こる、石灰の結晶硬化現象を利用して描く、世界最古の絵画 技法です。私が描くフレスコ画下地には、島根のお隣、山口県にある㈱トクヤマが開発した、漆喰シートを使用しています。未硬化の漆喰シートに顔料インクで1層目の彩色を施し、下地乾燥後、顔料に微粒子の消石灰を混ぜ合わせた絵具で加筆することで、フレスコ画の描画時間の制約を克服しています。消石灰は秋吉台の石灰岩(古代生物が堆積した化石)が原料となっています。フレスコ画の石灰白は大地が生み出した化石の結晶、古代生物の輝きであり、白うさぎを描くのに相応しい素材だと感じます。

 うさぎは古来より、縁起の良い動物として親しまれてきました。のびやかに跳ねる姿は、物事が順調に進む様子、商売繁盛などを表し、多産であるうさぎは、子宝や安産のご利益もあるとされています。特に出雲神話「因幡の白うさぎ」では、大国主命と八上姫のご縁を結ぶ大役を果たしたことから、良縁を導く神のお使いとして、大切にされてきました。島根での展覧会にご縁をいただいた感謝の気持ちを込めて、愛と福に満ち溢れた縁起うさぎを、美しい石灰白で表現したいと思い、描きました。
 瑞慶覧 かおり

フレスコ画技法について☞ 
  十二羽の縁起うさぎ物語

福とご縁を導く縁起うさぎの、十二ケ月の物語。
島根の県花や、出雲大社を彩る草花等、季節の情景に佇む、縁起うさぎの作品シリーズです。
 ↓作品をクリックにて詳細
12月『 雪うさぎ 』
 漆喰シート フレスコ画 / 24.2×33.3(F4号)
雪の花(雪の結晶)の中に佇む、真っ白な縁起うさぎを描きました。
フレスコ画の色材保存の仕組みは、石灰の結晶(カルサイト)の中に顔料粒子が封じ込められ、
色が定着するというものです。石灰の結晶で描かれた、雪の結晶と雪うさぎです。

11月『 篝火花に縁起うさぎ 』
 漆喰シート フレスコ画 / 24.2×33.3(F4号)
シクラメンの和名は「篝火花」(カガリビバナ)です。
その名の通り、周囲をあったかく照らすような、やさしく燃える小さな炎に似ています。
出雲はシクラメンの西日本有数の産地で、斐川地域を中心に多く栽培され、毎年11月に
シクラメン祭りが開催されています。

10月『 蒲の穂綿に縁起うさぎ 』
 漆喰シート フレスコ画 / 24.2×33.3(F4号)
 
一年半前に、今回の展覧会の依頼と企画主旨を伺ってから、自分なりに出雲神話や縁起
うさぎに纏わるお話を勉強してきましたが、やはり「因幡の白うさぎ」に関する絵は、
一枚描いておきたいなと思いました。
サメに毛皮を剥がされてしまった白うさぎが、大国主命の助言により、蒲の穂綿にくる
まることで、回復する名場面です。家には、いもとようこさんの「いなばのしろうさぎ」
の絵本がありますが、子どもたちも、蒲の穂綿に包まれて、うさぎちゃんがふわっふわに
生まれ変わるこのシーンが大好きのようです。

4 9月『 秋桜と縁起うさぎ 』
 漆喰シート フレスコ画 / 24.2×33.3(F4号)
〝秋桜”と書いてコスモス。その名の通り秋を代表する花です。
島根県でも「東三瓶フラワーバレー」、「しまね花の郷」のコスモス畑が有名です。
一面ピンクのコスモス畑に佇む、純白の縁起うさぎを描きました。

8月『 向日葵と縁起うさぎ 』
漆喰シート フレスコ画 / 33.3×24.(F4号)
向日葵の花のように、背筋を伸ばして空を見上げる縁起うさぎ。
出雲縁結び空港付近には、約80万本のひまわり畑が広がっています!
8月下旬〜9月上旬にかけてが見頃で、すくっと立ち上がった茎から、太陽のような大輪
の花を咲かせます。「あなただけを見つめる」という向日葵の花言葉に合わせて、
大きな丸い瞳で、虹の空を見上げる縁起うさぎを描きました。

 7月『 蓮うさぎ 』
漆喰シート フレスコ画 / 33.3×24.(F4号)
 
出雲大社境内、浄の池周辺の紫陽花が、開花時期を終える7月初旬頃から、
今度は池の蓮が見頃を迎えます。池の中から真直ぐに茎を伸ばし、その先に華麗な
大輪を咲かせる姿は、清らかさの象徴と考えられ、仏教では神聖な花とされてきました。
静寂で深い、青の水面から浮かぶ、大きな丸い葉の上に、蓮の花のように、神秘的な
白うさぎを描きました。

6月『 紫陽花の縁起うさぎ 』
 漆喰シート フレスコ画 / 24.2×33.3(F4号)
鮮やかな紫陽花の群生から、ひょこっと出てきた、まんまるお目目の縁起うさぎです。
出雲大社の入口、勢溜の鳥居をくぐり、下り参道をしばらく歩いた右側にあるのが、
「浄の池」。池のほとりには様々な種類の紫陽花が植わっています。
6月中旬から7月初旬にかけて、見頃となる紫陽花。
大きなビー玉のような瞳に、紫陽花の色彩が映り込んでいます

5月『 藤の縁起うさぎ 』
漆喰シート フレスコ画 / 33.3×24.(F4号)

出雲大社といえば巨大な大注連縄。その神楽殿の脇にある「鏡の池」には、藤棚があり、
春から初夏にかけて紫色の花が池の上に垂れ下がり、水面に映り込む藤と共に美しい光景が
見られます。たわわに咲き誇る垂れ藤の下に佇む、垂れ耳の縁起うさぎ。
エメラルドグリーンの水面に舞い散る、藤の花びらのように、神聖な白うさぎを描きたいと
思いました。

 4月『 牡丹と縁起うさぎ 』 
漆喰シート フレスコ画 / 33.3×24.(F4号)
日本一の牡丹生産量を誇る松江市。大根島の牡丹栽培は300年の歴史がり、島根県の県花に
選ばれています。この地を象徴する華やかで高貴な花です。
この大輪の存在感に負けないくらい、美しく紅い瞳を持った、真っ白なうさぎを描きたいと
思いました。うさぎのモデルはもちろん、出雲神話の「因幡の白うさぎ」です。この展覧会
の企画のお話をいただいて、一番最初に描いたのが、この作品です。

 3月『 桜うさぎ 』
漆喰シート フレスコ画 / 33.3×24.(F4号)
 桜が最も美しいのは、散り際の満開の時。そこへ春の暖かな風が吹いて、花弁がいっきに
舞い上がり、その空間に自分が包み込まれる瞬間は、思わず立ち尽くしてしまう程。
そんな情景に佇む、縁起うさぎを描きました。
出雲大社神苑の素鵞川沿いには、約200本のソメイヨシノが植わっており、3月には出雲
大社の厳粛な雰囲気に包まれた、雅な桜が楽しめます

2月『 藪椿と縁起うさぎ 』 
漆喰シート フレスコ画 / 33.3×24.(F4号)
 出雲大社周辺の野生藪椿の選抜種である〝出雲大社薮椿”を描きました。
小ぶりながらも鮮やかな紅が美しい品種です。
雪景色に椿が映えるように、真っ白なうさぎにも真紅の椿はお似合いです。
エメラルドグリーンの背景と、真っ赤な椿の対比も、美しく表現できればと思いました。

1月『 縁起うさぎの松飾 』
漆喰シート フレスコ画 / 33.3×24.(F4号)
樹齢400年を超える、出雲大社の松並木の参道でも有名なように、島根の県木は黒松だそう
です。そんな黒松のお飾りにから、ひょっこりとのぞく縁起うさぎを描きました。
島根の県花である、牡丹の花も添えています。
一年の始まりを華やかに、縁起よく飾る絵にしたいと思いました。
   その他18点、全30点のフレスコ画を展示致します。